キャンプ2日目

キャンプ2日目は、デンマーク人によるレク、流しそうめん、海水浴、親子キャンプ、カヌー、七夕祭り、と盛りだくさん!

【お寺での朝】

デンマーク人だけでなく日本人参加者にとっても貴重な体験となるお寺での宿泊。林叟院(りんそういん)様のあたたかいご理解とご協力によって今回お寺を使わせていただくことになりました。キャンプのために本堂の正面入り口に大きなスロープを設置させて頂いたり、段差解消の板を使わせて頂いたりと僕のような車椅子の人間でもお寺で休むことが可能でした。僕は訳あってお寺での宿泊は一晩のみでしたが、一生忘れられない、素敵な経験でした。

【デンマーク人によるアクティビティ】

デンマーク人が4つのアクティビティを企画し、4つのカラーグループが交代で全てのアクティビティに挑戦しました。アクティビティの内容は、

 ・日本人はデンマーク語を、デンマーク人は日本語を、いくつ覚えられるかゲーム!

 ・水風船をマスにいくつ当てられるかゲーム&カード持って走って3つそろえるゲーム

 ・お互いの国についてポエムを作ろう

 ・プラスチックごみから役立つものを創り出せ

の4つです。日本人参加者はまず英語でされるルール説明を理解することが難題で、「どゆこと?どゆこと?」と確認しながらゲームをクリアしていきました。

ゲームをクリアしていくたびにチームが結束していくのを感じ、特に体を使って競い合う水風船やカードダッシュのゲームもきちんと障害のある人も活躍できる工夫がされていて、さすがエグモント!な素晴らしいアクティビティでした。

【流しそうめん】

身体と頭をたくさん使った後、お昼ご飯にいただいたのは日本が世界に誇る伝統文化「流しそうめん」(英語で何と言うのだろうと考えましたが思いつかず、誰かがキャッチング・ヌードルと呼んでいて、なるほど確かにと思いました)。

僕は今回デンマーク人と一緒に来日しましたが、夏でもデンマークは20℃に達することが少なく、日本に来て急に30℃超えで湿度が高いクラクラする真夏の暑さを味わい、デンマーク人も僕も暑さにすっかりやられておりました。しかしこの流しそうめんの涼やかさ、つるっとしたのどごしにみんなが救われました。竹の台から竹の食器、おいしいそうめんを暑い中用意してくださった焼津の皆様、実行委員の皆様、本当にありがとうございました。「世界一幸せな国」に留学中の僕ですが、生姜としその葉の入ったおつゆでそうめんをいただいたとき、「やっぱり日本がいい!」と心から思いました。

【海水浴】

「もし1日だけ普通の体に戻れるとしたら何したい?」と聞かれたら間違いなく「海で遊びたい!砂浜を走りたい!」と答える僕ですが、普通の体に戻ることなく、海で遊んで砂浜を走ることができました!二十歳のときに頸髄損傷という障害を負って胸から下がマヒして以来14年間、車椅子だから海は無理、と思ってきましたが、無理なことはなかったのです。きちんと準備をし、自分の障害のことを理解し支えてくれる仲間に恵まれれば海水浴をすることは可能だったのです。

そして、自分のやりたいことや夢などをちょっと図々しくても周りに言うことも大事だとデンマークで学びました。日本にいたときは「障害者らしく」遠慮して言いたいことややりたいことを我慢していました。でもデンマークでは重度な障害がある人でも自分のやりたいことを堂々と話し、実現し、「自分らしく」生きている人にたくさん出会いました。

このキャンプでは、遠慮せず言うことが大事で、むしろ遠慮することは仲間に対して失礼かもしれないと思うようになりました。

「修平さん!やりましょう!」「修平さん!行きましょう!」「みなさん、ぼくこれやりたいです!」そんなことを言い合える関係が築けて、本当に楽しいキャンプでした。

【親子キャンプ】

僕が海水浴やカヌーにはしゃいでいるとき、砂浜では同時進行で親子キャンプが開催されていました。障害のある子どもとそのお母さんやお父さんが参加され、キャンプに参加しているデンマーク人と日本人と一緒に砂浜でのアクティビティを楽しみました。

【カヌー体験】

障害があるなしに関わらず日本人はあまりトライする機会の少ない海でのカヌーにみんなで挑戦しました。デンマーク人のサポートは本当に上手で安心感があり、場を常に盛り上げながらも安全を最優先で日本人をカヌーに乗せてくれました。

僕と一緒に乗ってくれたリース遠征隊メンバーのニコライは「世界で初めてのしゃべるシートベルトだぜ」とか「本当はすごい料金高いんだぜ」とか後ろからささやきながら、最後まで僕をしっかりと支えてくれました。車椅子だったら段差があるところには行けない、とか体のバランスを自分で取れない人はカヌーに乗れない、ではなく、安全に何かにトライするためにはまずどうすれば良いかを考える、という姿勢が大事であることをエグモントで学びました。そしてその考え方はこのデンマークキャンプ2017in焼津でもしっかり実践されていることをこのとき感じました。挑戦はもちろん素晴らしいですが、安全がやはり第一です。海水浴もカヌーも実行委員やデンマーク人による安全の配慮が徹底されていました。感謝です。

そしてさらにここで大事なのは、自分でもきちんと安全を確認すること。僕は割と場の空気に流されてしまう方なのですが、エグモントではきちんと「NO」と言わないと危険な展開になることも多く、自分に関することはきちんと自分で確認して、はっきりと意思表示することを学びました。このカヌーのときも、自分の車椅子でどこまでカヌーに近づくか、車椅子とカヌーの移乗はどうするか、カヌーに乗っているときどうやって僕の体を支えてもらうかをつたない英語で確認し、納得した状態でチャレンジを行いました。

短い時間でしたが、カヌーから見える素晴らしい景色を堪能することができました。

【バーベキュー】

キャンプといえば欠かせないのがバーベキューですね!デンマークではお肉がとてもおいしいのですが、味付けは塩コショウのみだったりとシンプルなことが多いので、味付きカルビなど日本の焼き肉はとても気に入ってくれていました。夕方になって暑さもやわらぎ、とてもリラックスして楽しい時間を過ごすことができました。

【七夕祭り】

バーベキューのあとはサンライフ焼津に移動して入浴をしました。このときには自分のチームの方だけでなくほかのチームの方にもたくさん助けていただき、男同士の裸の付き合い的な良いムードで海の汚れを落とすことができました。

そして、盛りだくさんだった2日目の締めは昭和通りの七夕祭りです。

僕らが男同士で和気あいあいとしているころ、女性たちは日本人もデンマーク人も華やかな浴衣に着替えてらっしゃり、我々男性陣も各々すぐさま甚平や魚河岸シャツを着用してお祭り感たっぷりで昭和通りに向かいました。

 僕がついた時には特設ステージでデンマーク人バンドによる演奏が始まっていました。浴衣がとっても似合うボーカルのレアさんのきれいな歌声が商店街に響き渡り、キャンプ参加者や親子キャンプ参加者のみならず、地元焼津の方々にもデンマークの幸せオーラのおすそ分けができたのではないかと思います。


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