エグモントホイスコーレンのことをご存じない方のために、2016年秋コースから在学中の私KIYOがエグモントについてご紹介します。
エグモントってどんな学校?
デンマーク、ユトランド半島にある第二の都市、オーフスからバスで1時間離れたHOUという町の海のすぐそばにエグモントホイスコーレンはあります。
広大な土地に広がる大きな学校の生徒数は約200人。うち半分は何らかの障害を持つ生徒で、彼らをサポートする生徒兼ヘルパー、そして日本人生徒が数名在籍しています。「障害者」の生徒達と「健常者」の生徒が共に暮らし、学ぶこの学校はデンマークでもただひとつの「特別な学校」です。エグモントは2016年秋にめでたく創立60周年を迎えました。
障害は環境があれば消えていく。
学校の入り口には大きなガラス窓があり、そこから校長先生自慢の大きなプールが私達を「Welcome!(ようこそ!)」と招いてくれています。
校長先生の夢だった「誰でも入れるプール」は名前の通りどんな障害を持っていても入れる配慮がしてあります。
更衣室は広く、仕切られた個別の更衣室もたくさんありヘルパーの学生が障害をもつ学生の着替えのお手伝いができるようになっています。
水中を入れる特別な車椅子は全部で5台あり、そのままプールに入れるように巨大なスロープがプールに設置されています。
また海の砂浜も対応する車椅子があるので夏ははみんなで海に入ることができます。体育館やトレーニングルームの重たい扉はスイッチひとつで開閉できたり、学校のスクールキッチンのコンロやシンクもスイッチで上下するので高さを変えて誰でも週末にクッキングを楽しめます。
また障害を持つ学生の部屋にはリフトが付いていて、指導を受けたヘルパーの学生がリフトを使って入浴やトイレの介助もできます。夜間、学生ヘルパーがゆっくり睡眠できるのはHHA(学校のお母さん)と呼ばれる人達が、夜中介助が必要な学生達のフォローを24時間体制で行います。HHAは、お掃除するのが苦手な学生や、心の不安定な学生の心のサポート、薬の管理などもしてくれています。
環境さえ整っていれば、できないことなんて少なくなり、障害は環境や考え方によって消えていくものだと思います。この学校に来て、多くの障害を持つ学生が、学生ヘルパーとの信頼を築き、独自のコミュニケーションを使って日々の生活を楽しんでいます。笑顔でいきいきと自分で自己決定し、そして自分自身にチャレンジし、人生を楽しんでいる姿をみてこの学校の素晴らしさと、ここで得る経験値は一生の宝物だと感じています。日々、生きてる事に感謝して支えてくれている人を大切に、連帯・尊厳・ 自律、エグモント!!!